新しい教育の形。企業が先生「キャリア大学」とは?

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  時代が変われば、仕事も変わる。仕事も変われば、社会も変わり、当然、教育にも変化が必要です。世の中が変わるのに、教育が変わらない、なんてことがあり得るでしょうか。 社会の現場や仕組みを知ることは、そのまま生き […]

 

時代が変われば、仕事も変わる。仕事も変われば、社会も変わり、当然、教育にも変化が必要です。世の中が変わるのに、教育が変わらない、なんてことがあり得るでしょうか。

社会の現場や仕組みを知ることは、そのまま生き延びる力になります。

どう世の中が動いているのか、そしてどのようにして企業がお金を稼ぎ、どのようにして給料が自分のもとに入ってくるのか。その方法、戦略。実際の現場で活躍に繋がる力は、残念ながら通常の学習経験とは遠い所に存在しています。だからこそ、教育は受けるだけではなく、自ら「知ろう」とする努力が必要なのではないでしょうか。

 

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キャリア大学、という学校があります。

 

大学や専門学校で学びながら通う、第2の大学で、企業・官公庁・国際機関・NPO・NGOが先生となり仕事や社会の仕組みについて、実践的な講義を行っています。社会の現場から、ビジネスや国作りの仕組みなど「社会」で積むキャリアについて、知識と体験を提供するのです。

入学は、会員登録をするだけ。授業料は、基本的に一部の講義を除いて無料。

キャリア大学には、三井住友銀行、Microsoft、朝日新聞社、GREEなど、分野問わず、多くの大企業および機関が参加しています。中には財務省、警察庁のような、国を運営する組織もあるというから驚きです。

中にはビジネスにおいて、ライバルになる企業同士もたくさんいるそうです。ただ、この場所では誰が味方で誰が敵か、なんてことは一切関係ありません。あるのは「教育を通じて日本の将来を明るくしたい」そんな前向きな気持ちだけなのです。

 

クラスは、大きく分けて、サマークラスとエキスパートクラス。サマークラスは夏休み中の大学1年生が学べるクラス。エキスパートクラスは学生や社会人も参加可能です。

とはいえ、具体的にどのような体験を提供してくれるのでしょうか。実際に展開されている講義の一部をご紹介します。

 

三井住友銀行 – 世界中の人や産業と対峙する

SMBCのさまざまな業務の話を聞いたり、グループワークを通じて銀行ビジネスが世界とどの様につながっているかをご紹介します。SMBCのバンカーが、顧客に対して何を考え、どの様に成長を遂げているのか体感して下さい。

 

Microsoft – 世界を変えるIT業界のシゴト

新しい技術が生まれ、魅力的な機器やサービスが次々と想像するこのIT業界、その中でどのようにビジネスを展開していくべきか、ワークショップを通じて考えて頂きます。

 

朝日新聞社 – 記者の取材現場を体験する

世界各国の現場を歩いた記者の話を機器、記者の仕事の醍醐味を知ってください。ワークショップを通じて、朝日新聞社の仕事のおもしろさや、やりがいを感じでいただきます。

 

経済産業省 – 日本を動かし、世界で戦う。

国際社会の変化、日本経済の動向、エネルギー問題等を学びながら、企業経営者、学者、専門家へのインタビュー等を元に制作を作り上げていくプロセスを体感していただきます。

 

GREE – ソーシャルメディアの新たな戦略

インターネットを機転にした新たなサービスの創出。実例を学び、サービスを創出していただきます。

 

財務省 – 日本の、世界の明日を創る 

霞ヶ関の各省庁無いから政治家、マスコミ、国際会議等での各国代表者などを相手に議論を交わし、日本の、世界の明日を創る財務省。その仕事を体感してみてください。

 

JTB – 旅を軸に無限の可能性に挑戦!

旅のチカラは無限に可能性があります。「ヒトを動かす、モノを動かす、ココロを動かす」これが旅のチカラです。「旅」を題材とし「新しい事業領域・社会的価値を創造する」考え方を学んで頂きます。

 

いくつかご紹介させて頂きましたが、上記の企業様はまだ一部にすぎません。他にもSONY、Panasonic、資生堂など、誰もが知る大企業が、社会について教鞭をとります。ウェブサイトには37社の大企業および組織が紹介されていますので、ぜひ、覗いてみてください。

CAREER UNIVERSITY クラス一覧
http://www.career-univ.com/class/index.php

 

時代は変わっていきます。特に今の時代は産業革命以来と呼ばれるほど、社会のあり方、働き方に変化が進んでおり、従来の仕事の仕方や方法論では、通用しないような状況も多々、あります。変化に対して柔軟に対応していけなければ、淘汰される。つまり、食べていけなくなるかもしれない。

これまでは良い大学を出て、良い企業に入れば、一生食べていけたかもしれません、ただ、今の時代は違います。どんな大企業にも倒産の可能性があり、個人としての「利益を生み出す能力」がなければリストラの対象となることも多々あるでしょう。

ワークシフト、という言葉が知られ、中間管理職の意義が問われ、働き方そのものが根底から疑問をぶつけられている時代、将来的に笑うためには自分自身で社会の仕組み、構造、あり方を、能動的に手に入れていかなければならないのです。そして、変化を察知し、素早く対応すること。

キャリア大学は、大学生や社会人に、社会に対する知識や情報を与えてくれる、とても有意義な場所であり、今後の学生の成長にとって大切な場所となるのではないでしょうか。

少し前、学生が集まり、それぞれプレゼンテーションを行うというイベントに足を運んだのですが、すごかったですね。熱意。一般的な社会人のプレゼンテーションに引けをとらないどころか、逆に飲み込んでしまうような理知的で、かつ面白みのある学生がたくさんいらっしゃいました。

きっと彼らは気づいていて、キャリア大学のような活動にも参加していたのかもしれません。その様子を見て「学生って面白いなあ」と感じたことを覚えています。

どんどん新しい若いチカラが、キャリア大学のような場所から生まれてくるのだろうなぁと思うと、なんだかワクワクしてきます。

 

キャリア大学ウェブサイト
http://www.career-univ.com/index.php

 

おまけ :

社会に影響を与えた、これからの社会と働き方を知る4冊。

 

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